「そんなこと考えてちゃダメ!」と思っていた私へ
〜心がふっと軽くなる、あるネイルサロン経営者との出会い〜

コロナ禍を乗り越えた先で、動けなくなっていた女性
「最近、全然やる気が出なくて…」
そう語ってくれたのは、ネイルサロンを経営している40代の女性でした。
彼女は、コロナ禍の厳しい時期をなんとか乗り越えてきた人。
常連のお客様に支えられ、売上が落ち込む中でも工夫を重ね、ようやく少しずつ軌道に乗り始めた矢先のことだったそうです。
でも、ある朝、突然ベッドから起き上がれなくなったといいます。
「動こうとすると、身体が重くて、何もしたくないんです。
それでも、やらなきゃ…って思って無理に仕事に行こうとするけど、足が動かない」
そんな状況が続き、不安を感じて私のカウンセリングを受けに来てくださいました。
気がかりなことを聞いたとき、心に浮かんだ言葉
セッションでは、あるワークを行いました。
それは「今、気がかりなことを思い浮かべてください」と伝え、心の反応に意識を向けてもらうものです。
「どんな気持ちが湧いてきましたか?」と尋ねると彼女がふと口にしたのは、

お店、このままで大丈夫かな…って考えて不安になりました。
でも、その直後には、こんな言葉が浮かんできたそうです。

でも、そんなこと考えてちゃダメだ!私がしっかりしなきゃ!
それを聞いて、私はこう伝えました。

「では、目を閉じて、自分の心にこう言ってあげてください。
『そっか、不安なんだね。不安でいいんだよ。その気持ち、よく分かるよ』って。」
彼女は少し驚いたような表情を見せながらも、静かに目を閉じて、自分にその言葉をかけました。
そして少しして、ふっと笑ってこう言ったのです。

「……あれ? なんだかスッキリしました。」
心が軽くなる。それが“自己受容”という感覚
この「スッキリした」という感覚こそが、自己受容の感覚です。
スッキリしたり、安心したり、穏やかな気持ちになったりする。自己受容ができているときは、そんなリラックスした感覚になります。
一方、自分を否定しているときは、緊張します。
不安、混乱、苦しさ、力んでいる感じ、そんな緊張感があるときは、無意識に自分を否定しているときです。
多くの人が、「前向きにならなきゃ」「ネガティブなことを考えちゃダメ」と、自分に言い聞かせながら日々を頑張っています。
でも実は、その頑張りが、自分の本当の気持ちを押し殺している原因になることがあるのです。
不安も、焦りも、迷いも、「そんなふうに思ってるんだね」と受け止めてもらえたとき、心は初めて安心し、自然と軽くなっていきます。
私自身も、やる気を失って動けなかった過去がある
実は、私自身にも同じような経験があります。
起業して1年ほど経った頃、それまであったやる気が、ぱたっとなくなった時期がありました。
やるべき仕事はあるし、やらなければ生活も成り立たない。
でもどうしても、動けない。がんばれない。
そんな状態が、気づけば6年も続いていたのです。
当時の私は、その理由がまったく分かりませんでした。
心理療法を学び、コーチングも受け、ヒーリングにも手を出しました。
“自分を変えたい”一心で、あらゆる方法に取り組んできたんです。
それでも、根本的な苦しさは消えませんでした。
無意識に「自分を否定していた」ことへの気づき
そんな中で、あるとき気づいたんです。
私は無意識のうちに、自分を否定し続けていたのだと。
「もっとちゃんとやらなきゃ」
「こんなことしてちゃダメなのに」
「どうしてこんな簡単なこと一つ出来ないんだ」
心の奥底で、そんな言葉を自分にずっと投げかけていたんです。
それでは、やる気が出るはずもありません。
そのことに気づいてからは、まずは自分の今の気持ちをそのまま認めることを意識して、自分に優しい言葉を投げかけるようにしました。
すると、気持ちが楽になって、だんだん心が動き始めたんです。
前に進もうとする力が、無理なく自然に湧いてきた瞬間でした。
自分を受け止めることから、人生は変わり始める
人は、「このままじゃダメ」と思って自分を変えようとしがちです。
でも本当は、“このままの自分”にOKを出すことが、変化のスタートラインなんです。
あのネイルサロンの女性も「スッキリしました」と笑ったその瞬間、もうすでに、自分の人生を取り戻し始めていたのかもしれません。
そして、それは誰にでも起きることなんです。
今、心に浮かぶ言葉に耳を澄ませて
あなたも、今なにか気がかりなことがありますか?
そのときに、「でもそんなこと考えちゃダメ」と打ち消すのではなく、まずはこう言ってあげてください。
「そっか、不安なんだね。その気持ち、よくわかるよ」
それだけで、きっと心は少し軽くなります。
私はこれからも、そんな“自分を受け止める感覚”を、必要な人に届けていきたいと思っています。
あなたも、「自分を受け止める力」を育ててみませんか?
もし今のあなたが、
・気持ちが置いてけぼりのまま頑張ってしまっている
・前に進みたいのに、心がついてこない
・自分をもっと大切にしたいけど、どうすればいいかわからない
そんな思いを抱えているなら…
まずは、自分を責める代わりに「受け止めてあげる」ことから始めてみませんか?
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