存在給とは何か？何もしなくても価値があると言える理由
tomohiro
存在給は本当に存在するのか？
「存在給（そんざいきゅう）」という言葉を耳にしたとき、正直、少し違和感がありました。
何もしていないのに、ただ存在しているだけで、本当に価値があるのだろうか？
お金を受け取っていいのだろうか？
そう思う自分がいました。
実際、現実の社会はそんなに甘くはありません。
誰かを助けるクラウドファンディングも、制度としての生活保護も、その背景には「理由」や「条件」があります。
「存在しているだけで価値がある」という言葉は、時に理想論やきれいごとに聞こえてしまいます。
でも、ある人がこう言っていました。
「病気で入院して、何もできなくなったとしても、看護師さんやご家族があなたを支えてくれる。
それは、あなたが存在していること自体に価値があるからなんだよ。」
その言葉に、私はハッとさせられました。
存在給とは「最低限の権利」であり「命の肯定」
受け取るべき最低限の愛のかたち
誰もが完璧ではない。
誰もが、いつか年老い、弱り、できないことが増えていく。
でも、そんなときにこそ、
「あなたがいてくれてうれしい」
「生きていてくれてありがとう」
そう誰かに言ってもらえることが、人間の尊厳なのではないか。
存在給とは、何もしなくても与えられる報酬ではなく、存在そのものが受け取るべき、最低限の愛のかたち。
言い換えれば、「理由もなく、あなたを受け入れる」という命の肯定です。
人は、「ただ存在するだけ」では満足できない
そうは言っても、私たちは“すること”にも価値を感じる生き物です。
ただ存在するだけでは、きっと満ち足りない。
誰かの役に立ちたい。
何かを生み出したい。
そう願うこともまた、人間の自然な衝動です。
でもその「したい」という気持ちは、無理に頑張った結果ではなく、“受け入れられた実感”から生まれることが多いのではないでしょうか。
だからこそ、「まず存在を受け入れる」ことが出発点になる
頑張らなくてもいい。
うまくいかなくてもいい。
今の自分のままで、まず「OK」を出してあげる。
その内側の安心感が、やがて「何かをしたい」という自然な衝動を芽吹かせ、それが巡り巡って、誰かへの贈り物になっていく。
存在給は、「与える」ための出発点であり、「存在してくれてありがとう」と伝え合う、人間らしさの象徴。
それは、経済的な仕組みではなく、関係性のなかで成立する愛のかたちなのかもしれません。
まとめ：存在給は「命にありがとう」と言える世界にある
私たちの世界は、つい成果や効率を基準にしてしまいます。
でも、その前にあってほしいもの──それが、「ただそこに在ること」への感謝ではないでしょうか。
いてくれて、ありがとう。
何もしてなくても、あなたはかけがえのない存在だよ。
そう言える社会、そう言い合える関係。
それが「存在給」のある世界。
そして、それを最初に自分に向けられるようになったとき。
私たちは、またひとつ深いところから、自分を愛せるようになるのだと思います。
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