風が吹き荒れる理由──混乱の中にある、本当の始まり
tomohiro
風が吹き荒れている
「風の時代」という言葉を、最近あまり聞かなくなったと思いませんか？
数年前は、誰もが口にしていたこのフレーズも、今ではすっかり影をひそめています。
でも、私は今こそ――まさに風が本格的に吹き始めているのではないかと感じています。
それは、心地よい春風のようなやさしい変化ではなく、ときに嵐のような混乱や揺さぶりをもたらす、本気の風です。
なぜ、風の時代なのに苦しいのか？
風の時代って、「自由」「軽やかさ」「個人の目覚め」といった、明るいイメージで語られることが多かったように思います。
けれど、現実にはその逆のようなことが起きている人も少なくありません。
人間関係のリセット、仕事の喪失、社会構造の混乱、信じていたものの崩壊……
なぜかうまくいかない、なぜか感情が揺さぶられる、そんな“説明できない不安定さ”が続いている。
それもそのはず。
風の時代とは、「古いものを手放す」ことが求められる時代だからです。
そして、手放すというのは思った以上に痛みを伴うこと。
見ないふりをしてきたこと、心の奥にしまい込んできた違和感――
それらがすべて、風によってあぶり出されていくのです。
風は壊すだけでなく、あらわにする
風は、ただ物を吹き飛ばすだけではありません。
埃を払い、空気を入れ替え、澱んだものを表に出してくれる力があります。
たとえば、
・本当は違和感を抱えていた人間関係
・もう自分に合っていなかった仕事
・誰かの期待に応え続けていた生き方
それらが「突然の終わり」や「予期せぬトラブル」として表面化することもあるでしょう。
でも、それは破壊ではなく、浄化の始まりかもしれません。
本当の自分で生きるためには、まず“嘘”や“我慢”をやめなければいけない。
風はそのために、あえて混乱を起こすのです。
本当の変化は、まず混乱から始まる
大きな変化が始まるとき、私たちは一度「空っぽになる」ような体験をすることがあります。
先が見えなくなったり、自分が何を望んでいるのかわからなくなったり――
それはとても不安で、怖くて、心細い。
でも、それは悪いことではありません。
むしろ、本当の変化が始まる“前触れ”なのです。
古い価値観が抜け落ちていくときには、いったん足元がグラグラする。
でも、その先には、もっと軽やかで、自分にしっくりくる生き方が待っています
“揺るぎない自分”を育てるという選択
こんなときこそ、大切なのは「外の風に飲まれすぎない」こと。
たとえば、
- 自分の感情を丁寧に感じてあげること
- 誰かと比べるのをやめること
- 小さな喜びに目を向けること
- 本音を大切にすること
それらは派手ではありません。
でも、自分の内側に“静かな風よけ”を育てることが、この時代をしなやかに生き抜くための土台になります。
風が去ったあとに、残るもの
風が通り過ぎたあと、そこに残るのは「本物」だけです。
形だけのつながり、外側の評価、無理に保っていた自分像――
そういったものは、すべて吹き飛ばされるかもしれません。
でも、そのあとに残るのは、心から信じられるもの、素直な自分、ほんとうのつながりです。
だからもし今、あなたが混乱の中にいるとしたら――それは終わりではなく、「始まりの準備」なのかもしれません。
風は、私たちを壊すために吹いているのではなく、本当の自分に還るための案内人なのだと思います。
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