好きなことなら、辞めたいなんて思わない──田舎暮らしと“幻想”の話

一時期、古い家を買って自分でリフォームする動画にハマっていたことがあります。
壁を壊し、床を貼り、庭に畑を作ったり、ドッグランを整えたり。
お金をかけずに、自分の手で暮らしを作っていくその姿は、なんだかとても豊かに見えました。
本人たちは苦労しているはずなのに、なぜか楽しそうなんです。
そこには、「ローンに縛られない」「自分のペースで生きている」自由さがありました。
「こんな生き方、素敵だな」と思いました。
でも、全員がそうだったわけではない
そのうち、少しずつ気づいたことがあります。
最初は理想を語っていた人たちが、何年か経つと「やっぱり都会に戻ります」と動画で話している。
理由を聞けば、「虫が無理だった」「近所付き合いが辛かった」「パートナーと折り合いが悪くなった」と語っていたりする。
「あれ?」と思いました。
もちろん、田舎暮らしやDIYがダメと言いたいわけではありません。
むしろ、それを心から楽しんでいる人もたくさんいます。
でも、同じことをしていても、続けられる人と、そうでない人がいる。
その違いは、何なんだろう?と考えるようになりました。
幻想に飲み込まれた人たち
思うに、うまくいかなかった人たちは、
「田舎に行けば、幸せになれるかも」
「この暮らしをすれば、自分も満たされるかも」
という、外側の理想に期待を重ねていたのかもしれません。
でも、どんなに美しい景色も、どんなにおしゃれな古民家も、内側の欠乏感まで癒してはくれません。
やがて現実が理想とズレてきて、苦しさの方が大きくなってしまう。
本当に好きなことなら、辞めたいとは思わない
一方で、苦労があっても「楽しい」「やりがいがある」と笑う人たちもいます。
- 雨漏りしても、「よし、直すぞ」と前向き
- 畑の手入れが面倒でも、「土に触れるのが好き」と言える
- 孤独でも、「この静けさが自分には合ってる」と感じている
彼らは、「そこにいれば幸せになれる」と思ったのではなく、「これがやりたい」「この暮らしが好き」と、自分の内側から湧き上がる感覚を信じている人たちなんだと思います。
だから、続けられる。だから、満たされる。
自分の内側にある“やりたい”に耳を澄ませる
場所を変える、暮らしを変える、生き方を変える。それ自体は素晴らしいことです。
でも、「変えれば幸せになれる」という発想には、少しだけ慎重になった方がいいのかもしれません。
本当に変えるべきなのは、「場所」よりも、「何を大切にしたいか」という価値観。
それに気づいている人は、きっとどこにいても、豊かに生きていけるのだと思います。
さいごに
私自身、いま何かをやり直したり、暮らしを変える予定があるわけではありません。
でも、動画の中で静かに生きている人たちの姿を見て、「ああ、こういう豊かさもあるんだな」と思いました。
そして同時に、
「本当に好きなことって、苦労しても辞めたいと思わないんだ」ということを、改めて感じました。
これからもし何かを選ぶときが来たら、理想より、自分の素直な感覚を信じたい。
そんなふうに思っています。
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