闇を描くことで、光が生まれる 〜水彩画から教わった、心の風景〜

水彩画が教えてくれたこと

昔、水彩画を習っていたことがあります。

といっても、プロを目指していたわけではありません。何か趣味が欲しいなと思って、自分のペースで絵筆を持っていた時期のことです。

でも、今思えばその時間は、単なる絵の練習以上の意味を持っていました。

最初は「影を描くこと」が怖かった

風景や静物を描くとき、先生はよく言いました。

「光は影を描くことで浮かび上がるんだよ」

でも私は、なかなかそれができませんでした。

影を濃くすると、画面が重くなる気がしたし、暗い色、濁った色を置くことに、どこか抵抗がありました。

「こんなに黒くして大丈夫だろうか?」
「失敗したら取り返しがつかないかも……」

そんな不安と戦いながら、なんとなく無難な明るい色でごまかしていたんだと思います。

「影を許す」先生の一言

あるとき、描きかけの絵を先生に見せながら言いました。

「ここ、こんな感じでいいですか……?」

すると先生は、優しくこう言いました。

「ここはね、影をこのくらい濃くしてみたらいいかもね」

その言葉に、私は少し驚きました。

「こんなに濃くしていいんだ……」
「黒っぽい色も、使っていいんだ……」

そのとき初めて、私は「影を描くこと」を許されたような気がしました。

そして、不思議なことに、
思い切って影を描いたことで、そこが明るく光って見えたのです。

それは、私の心の中の風景とも似ていた

今思えば、あの頃は、自分の“影”を直視できていなかったように思います。

ネガティブな感情に蓋をして、見て見ぬふりをしていました。

できない自分を克服して、ちゃんとした自分になろうとしていました。

でも、どこかで息が詰まっていたのは、本当は自分の一部を、置き去りにしていたからかもしれません。

闇と光は、どちらかを選ぶものではない

水彩画は教えてくれました。

  • 光は、影があってこそ美しくなる
  • 影を描くことは、恐れることではない
  • 濁った色も、大切な色のひとつ

それはまさに、人の心の構造と同じだと思います。

悲しみ、怒り、不安、孤独……欠点、認めたくない自分の影の部分。

それらを否定せずに見つめることができたとき、やっと自分の本当の色が現れるのです。

影を抱えたまま、光の中にいる

今、私は思います。

「影を受け入れる器があれば、人は平和になれる」と。

無理に光だけを求めなくてもいい。
闇をなかったことにしなくてもいい。

それらが共存するからこそ、人生は深く、美しくなるのだと思います。

あのとき筆を持った手は、
私の心の影を肯定してくれていたのかもしれません。

あなたは、どんな“影”をまだ見つめずにきたでしょう。

それは、否定するものではなく、あなたの光を引き立てる大切な一部かもしれません。

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