ウィカリカライン──意味なんてない。でも、かっこいい

呪文のような言葉が耳に残る
ポップジャズバンド「ミシェルメルモ」の一曲、『ウィカリカライン』。
「ウィカリカライン」という言葉の意味は、全くわからない。
なのに――呪文のような言葉が、耳に張り付いて離れない。
たぶん、リズムと語感だけで選ばれたフレーズなんじゃないかと思います。
「ウィッカリッカライン ウィッカリッカライン」
聴いているうちクセになる。気づけば、口ずさみたくなる。
そんな不思議な中毒性があります。
軽快で怪しげ、でも芯がある音
軽快で疾走感があり、ちょっと怪しげなメロディー。
ポップジャズのノリに、ホーンセクションが鳴り響く。
おしゃれなのに、どこか泥臭くて、
洗練されてるのに、叫んでるような。
歌詞を聴いていると、心がザワザワして、でも動き出したくなる。
この感じ、なんだろう……と考えて、私はふと気づきました。
これは、「創作してるときの脳内」だ。
この曲、もしかしたら――作っているときの気分そのものなんじゃないか?
そう思ったんです。
「消えた筋を たどるような/一見不毛な作業」
という冒頭の歌詞。まさに、何度も書き直しては壊し、また戻ってくる創作のループそのもの。
「逃げたいよ 本当は」
「蜘蛛の糸 差し出して」
そんな助けを求めるような叫びも、
完璧なものを作りたくて、でも届かなくて、
自分を責めたり、恥じたりする気持ちに重なっていきます。
最後は、自分で「堕ちる時」を決めるしかない
「堕ちる時は 今!ここです」
この一節が、私は好きです。
何が正解かわからない。
直せば直すほど、ぐちゃぐちゃになっていく。
最後は、もう「これでいい!」と自分で覚悟を決めて終わらせるしかない。
私は小説を書いてきましたが、作曲のことは全くわかりません。
でも、創作って、みんな同じ地獄をくぐってるんだなと感じました。
意味はない。でも、感情はある
意味はよくわからない。
だけど、確実に感情がある。
それが、『ウィカリカライン』という曲なんじゃないかと思います。
理屈じゃない。
「なんかかっこいい」
「また聴きたくなる」
そう思える曲に出会ったとき、
自分の中の感覚が、また少し自由になった気がします。
あなたの中にも、ウィカリカラインがあるかもしれない
もし、なにかを創っている途中で、
「もうやめたい」
「どうしてこんなにうまくいかないんだろう」
そう感じている人がいたら、ぜひこの曲を聴いてみてください。
きっと、あなたの混沌を、吹き飛ばしてくれると思います。
Melmophonic Orchestra『ウィカリカライン』
ウィカリカライン 歌詞
『ウィカリカライン』
作詞・作編曲:メイソン=ハウス
消えた筋を たどるような 一見不毛な作業
生まれたまま 死んでくような 人生を歩みます
今 眼前に 広がるのは なにやらフリーウェイ
もう絶対知らない所(とこ)
”Please youreself.” 終わらない直線
ウィカリカライン ウィカリカライン
ウィカリカライン ウィカリカライン
あぁ あぁ おぉ
逃げたいよ 本当は 差し出してね 蜘蛛の糸 さあ
もう!さっき見た気がする
"Don't blame me." 恥じらう暇もない
ウィカリカライン ウィカリカライン
ウィカリカライン ウィカリカライン
あぁ あぁ うぅ えぇ おぉ
Wi…Ka…Li…Ka…Line
妄!想!だけで生きてく
躁状態の ハイなダンス
un,deux,trois,…踏み外し
堕ちる時は 今! ここです
ウィカリカライン ウィカリカライン
ウィカリカライン ウィカリカライン
ウィカリカライン ウィカリカライン
ウィカリカライン ウィカリカライン…