強くなければいけない家系に生まれて

「泣いたらダメ」
「しっかりしなさい」
「人に迷惑をかけるな」
私が育った家では、そんな空気が“当たり前”のように流れていました。
その根底には、「甘えること」や「助けを求めること」をどこか恥ずかしいと感じるような、無言の圧がありました。
でも最近、ふと思うのです。
この“強がる癖”は、一体どこから来たのだろう?と。
戦死した祖父が残したもの
私の母方の祖父は、戦争で若くして亡くなりました。
祖父は母が生まれる前に出征したので、私の母は父親に一度も会ったことがありません。
もちろん、私にとっても写真でしか知らない存在でした。
祖父が戦死した後、祖母は女手ひとつで家族を支えながら必死に働き、生き抜いてきました。
それこそ朝から晩まで働き詰めで、甘える暇も、感情を出す余裕もなかったと思います。
きっと祖母にとって、「強くあること」は生き延びるための選択でした。
そしてその姿を見て育った私の母も、
「寂しくても我慢すること」
「甘えないこと」を自然に身につけていったのだと思います。
甘えなかった母と、甘えられなかった私
母は、私のことを本当によく見ていてくれました。
「寂しくないように」と、家にいて仕事をしてくれたのも、自分が味わった“母の不在”の寂しさを、私には味わわせたくなかったからだと思います。
でも私はそれでも、どこかで甘えることに躊躇してしまう自分がいました。
遠慮したり、我慢したり、
「人に迷惑をかけてはいけない」と、いつも気を張っていた気がします。
不思議ですよね。
母は私にたくさんの愛を注いでくれていたのに、私はその愛を「遠慮がちに」しか受け取れなかったのです。
「甘えられない家系」という無言のメッセージ
思えば、この家系では、
「誰かに寄りかかること」や「助けてと言うこと」が、どこか“禁止されていた”ように思います。
- 泣かない
- 頼らない
- 自分でなんとかする
それは一見、美徳のようにも見えます。
でも、その裏には「本当は誰かに甘えたかった」「支えてほしかった」という感情が押し込められていたのではないでしょうか。
祖母も、母も、そして私も――
「強さ」の裏で、どれだけの“寂しさ”を抱えてきたのかと思うと、胸がぎゅっとなります。
「もう、そんなに頑張らなくていいよ」
あるとき、ふとこんな言葉が心に浮かびました。
「おばあちゃん、そんなに頑張らなくてもよかったんだよ」
「お母さん、寂しかったね。甘えたかったよね」
「僕も、もう一人で頑張らなくていいよね」
まるで、代々つながっていた“緊張の糸”が、
少しずつほどけていくような感覚でした。
強さの連鎖を、やさしさに変えていく
祖父が命をかけて守った家族。
祖母が必死で築いた日々。
母が私のためにしてくれた選択。
そのすべてに感謝しながら、
私は次の世代に、こんな空気を手渡したいと思っています。
- 「弱くてもいいんだよ」
- 「甘えてもいいよ」
- 「助けてって言える人こそ、本当は強いんだよ」
受け継いできた“強さのバトン”を、
これからは“やさしさ”として渡していくことが、
きっと私の役目なんだと思います。
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