2年で11分。静かに命を育てるアニメーション作家・村本咲さんの創作哲学

「真夜中のパーキングエリア」という作品をご存知でしょうか。
深夜のパーキングエリアで、旅人たちがそれぞれ静かに心を癒していく。
大きな事件が起こるわけではないけれど、どこかあたたかく、静かな余韻を残すアニメーションです。
この作品を生み出したのは、静岡市出身のアニメーション作家・村本咲さん。
なんと11分の作品に、2年という歳月をかけて制作されたそうです。
ふつうだったら、「そんなに時間をかけて、割に合うの?」と感じるかもしれません。
でも、村本さんにとっては、「作ることそのもの」が喜びであり、生きることそのものなのだと感じました。
評価される前に、すでに作品は育っていた
私が何より惹かれたのは、「深夜のPAを作品の舞台にした」という着眼点です。
旅の途中、誰もが立ち寄ったことのあるような場所。
でも、その静かな空気感や、ふっと力が抜ける瞬間を切り取って作品にしようと思う人は、なかなかいないでしょう。
そこには、目立たないけれど確かに存在する“癒しの時間”が描かれています。
人は黙っているけれど、心の中では小さな変化が起きている。
その機微を、アニメーションという静かな手法で描き出す感性に、私は胸を打たれました。
しかもこの作品は、日本だけでなく、ブルガリアやフランスなど海外の映画祭でも受賞。
人の内面を丁寧に描くからこそ、文化を超えて届くのかもしれません。
「早く完成が見たい」よりも、「今描いていたい」
アニメーションの制作では、1秒間におよそ12枚の絵を描くそうです。
ということは、11分間でおよそ8000枚近く。
しかも、村本さんはすべてを鉛筆で、感情を込めて描いている。
想像ができないくらい、気が遠くなるような作業です。
でも彼女は、そのプロセスを「作ることを楽しむ」と表現していました。
もちろん、早く完成させたい気持ちもあるでしょう。
でも、それ以上に、「今この瞬間、絵を描いていること」そのものが嬉しいのだと思います。
まるで、自分の世界を少しずつ育てていくような感覚です。
「木を植える男」のような創作
ジャン・ジオノの名作『木を植える男』という物語があります。
誰にも気づかれず、見返りも求めず、ただひたすら木を植え続ける男の話です。
村本さんの姿勢は、まさにその物語を思い出させてくれました。
2年間、静かに絵を描き続ける。
誰に評価されるかもわからないまま、それでも信じて手を動かし続ける。
それはもう、努力や根気というよりも、生き方そのものだと思います。
感性が、国境を越えて届くとき
作品に登場するのは、主に小さな動物たち。
なぜ人間を描かないのかと尋ねられたとき、村本さんはこう語っていました。
「人間だと、性別とか年齢とか国籍を描かざるを得ない。でも、そういうのが必要ない時は、動物の形を借りています」
この発想に、私は深く共感しました。
国境や文化を超えて、もっと深いところにある「心の動き」を描きたい。
そのためには、人間という“記号”をあえて手放しているのかもしれません。
だからこそ、海外の人にも伝わる。
感情は、言葉や文化よりも、もっと根源的なものだから。
作ることを楽しむ人生へ
村本さんが最後に語っていたのが、こんな言葉です。
「ただただ作ることを楽しんでいく人生がいいなって」
この一言に、私ははっとしました。
つい私たちは、「成果」や「効率」ばかりを求めてしまいます。
でも、人生の本質は、もっとシンプルなところにあるのかもしれません。
“何を得たか”よりも、“何に夢中になれたか”。
たとえ目立たなくても、誰かが気づかなくても。
自分の感性を信じて、丁寧に育てていくこと。
それが、これからの時代に大切な創作のあり方ではないかと、改めて感じました。
見た人の日常が、ほんの少し優しくなる。
そんな作品を、今日もどこかで静かに描き続けている人がいる。
それだけで、世界は少しだけ希望に満ちているのかもしれません。
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村本さんのような創作の姿勢に、ヒントがあるかもしれません。
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