お金と両親の深い関係
今回は心理学から見た、お金と両親との深い関係についてお伝えします。
母親とお金の深い関係
お金と両親になんの関係があるの?そう思われるかもしれません。
実は心理的に見ると、お金は愛と深い関係があります。特に母親に愛されてきたかどうかが、お金に恵まれるかどうかと関係してきます。
なぜかというと、お金は自分の面倒を見てくれる母親の象徴と考えられるからです。
子供時代に母親に愛されてきた人は、自分は守られている、大丈夫だという安心感が心のなかに育ちます。しかし、母親から十分な愛を与えられていないと、心のなかに守られている感覚、自分は何があっても大丈夫だという安心感が育ちません。
この自分は守られている、大丈夫だという安心感がある人は、お金にそこまで困ることがありません。たくさんお金を得られるかどうかはわかりませんが、少なくともお金がないがために生きていけないというような困難な状況にはなりにくいと考えられます。
実際、お金のことで困窮している人は、母親の愛を十分に与えられて来なかった人が多いです。いつも、お金がない不安を感じていて、お金に翻弄されていたりします。例外はあるでしょうが、そうなる可能性が高いでしょう。
ケチか浪費家か
自分は愛されていると感じられる人ほど、お金と健全な関係を築きやすくなります。なぜなら、根底に安心感があるからです。
一方、不安が強い人は、極端にケチになるか、無駄遣いが多くなる場合があります。不安を感じないために節約して貯金に励むか、その反対にお金をどんどん使って安心感を得ようとします。ケチと無駄遣いの振り子の間を揺れ動く、両極端な人もいます。
いずれにしても不安を動機にお金を使うと、お金を失いやすいです。失いたくないと思えば思うほど、何かしらお金が出ていくようなことが起きて、お金を失いやすくなります。
お金に執着していない人ほど、逆にお金に困ることが少ないです。たくさんお金があるかどうかは分かりませんが、必要なお金に恵まれて困ったことにはなりにくいです。
父親とお金の興味深い関係
では次に、父親とお金とはどんな関係があるのでしょうか。
父親は一家の大黒柱として生活を支える存在です。そういう意味では、母親と同様、父親もまたお金と関係が深いと言えます。
ただ、父親はお金だけではなく、もう一つ大きな影響を及ぼすものがあります。それは、仕事の価値観への影響です。
今は共働きが多いので、母親も関係する部分ではありますが、かつて父親が主な働き手で、母親が専業主婦だった時代がありました。
この時代の人たちにとって、父親は仕事の象徴でした。父親が朝から夜遅くまで働いていて、あまり家にいなかったという人もいるでしょう。父親は「社会に出て働くとはこういうことだ」と自身の背中を通して子どもたちに伝えます。言葉で社会に出る意義を伝える父親もいるでしょうが、むしろ言葉より、生き方や態度を通して伝える方が心理的な影響は大きいです。
例えば、父親が嫌々仕事をしていれば、子供は社会に出て働くことにネガティブな印象を持ちます。ニートになる人の多くは、父親が嫌々仕事をしていた姿を見ています。辛そうに働く父親の姿を見ているので、社会に出て働くことは大変なんだ、とても辛いことなんだと思い込みやすいです。
一方、仕事に前向きな人は、父親と良好な関係を築いている人が多いです。父親を尊敬しているので、自分も早く大人になって父親のようになりたい、働きたいと考えます。
大人になって仕事をすると、人に喜ばれるし、お金だってたくさん稼げるんだ、かっこいい大人になれるんだと信じているので、前向きに仕事を選ぶし、一生懸命に働きます。
しかし、働くのは辛いことだ、お金を得ることは大変なんだと思い込むとそうはなりません。なるべく楽をしてお金を得ようとするし、必要以上に働こうという気にもなりません。なので、結果的にお金のことで苦労することが多いです。中には効率よくお金を得る方法を見つける人もいるでしょうが、いずれにしても幸せになるかというと疑問です。
両親との関係を見直してみる
お金に困っている人が、最初に見直してもらいたいのは、両親のことをどう思っているかということです。両親に対して感謝しているか、両親のことを尊敬しているか、振り返ってみてください。
「一応感謝はしている」という人は、心から感謝ができているとは言えません。「嫌いではないけど尊敬はできない」という人も、心から感謝できているとは言えません。それを思考の専門家の宮増侑嬉さんは「やっつけ感謝」と呼んでいます。
私も両親に対して感謝している”つもり”でした。しかし、今思えば「とりあえず感謝していることにしておこう」「もう自分も大人なんだし、済んだことは水に流そう」という気持ちがどこかにありました。自分は心理学もたくさん学んできたし、もう大丈夫だと思っていましたが、心の深い部分に、親に対して許せない気持ちがまだ残っていたのです。
両親に対しての見方を変えたところ、過去の恨みが一切消えて、両親に心から感謝ができるようにもなったし、尊敬もできるようになりました。親を恨んでいたときには気付けなかった、親の深い愛情に気づけたのです。
子供の頃は、叱られることや厳しくされることが嫌でしたが、それも親の深い愛ゆえだったと気づいて、心の中にあったわだかまりがすっと消えていきました。
両親に対しての見方を変えるには
かなり専門的な話になるので、ここで全てをお伝えするのは難しいですが、ひとつだけヒントをお伝えします。
まず、自分は被害者であるという考え方を変えることです。親の態度、言動には必ず目的があります。それを考察してみることで、少し親への意識が変わってきます。
子供は視野が狭く、考えも浅いので、親の態度、言動を短絡的に意味付けします。例えば親から叱られたら「ひどいことをされた」「そんなに怒らなくてもいいのに」「うるさい」としか思いません。なぜ自分が叱られたのか、その意味を深く考えないのです。何度も何度も叱られていると、そのうち親が悪者で自分は被害者のように思えてきます。
親が子供を叱るときには、必ず何かしらの理由があります。親の気分で八つ当たりされたように思うかもしれませんが、だとしても怒られる前に、自分が怒られるようなことをしている場合が多いです。
自分がしたことを考えると、親が怒って当然だと腹落ちすると、恨みは消えます。むしろ、自分のことを思って叱ってくれたのだということに気づくでしょう。
自分は被害者だと思っているとそうはなりません。まずは自分が被害者だという認識を見直してみるところから始めてみてください。
両親への思いが影響するのは、お金だけではありません。人間関係や恋愛、結婚など、人生全般に何かしらの影響が出てきます。
両親への見方が変わると人生が一変します。一度しっかりと両親と向き合いたい方は、個別カウンセリングもやっています。どうぞご検討ください。
まとめ
・母親はお金の象徴
・母親に愛されてこなかったと思っている人は、お金に苦労しやすい
・父親は仕事の象徴
・父親が仕事好きだった人は、自分も仕事好きになりやすい
・父親が仕事嫌いだった人は、自分も仕事嫌いになりやすい
・被害者をやめて、両親への恨みを手放すとお金の巡りが良くなる