成功する人の共通点
今日は、私がたくさんの人を見てきて感じた、成功する人と成功しない人の違いについてお話します。
成功する人と成功しない人の違いを如実に表した、あるお話があるので、まずはそれを紹介しましょう。
井戸の中の狐と山羊
あるとき、狐が水を飲もうとして身を乗り出したら、誤って井戸の中に落ちてしまいました。
井戸から出られずに困っていると、そこへ一匹の山羊が通りかかりました。
山羊は井戸の中にいる狐に尋ねました。
「おーい、井戸の水は美味しいかい?」
「ああ、とっても美味しいよ!山羊さんも降りてきて一緒に飲もうよ!」
すると喉の渇いていた山羊は、後先考えずに井戸の中に飛び込んでしまいました。
たらふく水を飲んで満足した山羊は、狐と供にどうやって井戸から出ようかと考え始めました。
すると狐が「僕にいい案がある」と言います。
「君が井戸の壁に前足と角を押し付けてくれたら、僕が君の背中を駆け上がって井戸の外に出るから、その後で君を引き上げてあげるよ」
山羊は狐の言う通りにしてみると、狐は井戸の外に出て、そのまま「さようなら」と立ち去ろうとしました。
「話が違うよ!」
あわてて山羊が文句を言うと、狐はあざけるようにこう言ったのです。
「君に君の立派なあご髭ほどの思慮があったなら、井戸から出る方法を考える前に、井戸の中に降りてはこなかっただろうに」
短期的快楽と長期的快楽
これはイソップ童話の中の一節「井戸の中の狐と山羊」というお話です。
あなたは、なんて馬鹿な山羊だと呆れましたか?
それとも、なんて意地悪な狐なんだ!と腹が立ちましたか?
アホな山羊だと笑うかもしれませんが、私たちは山羊のような愚行をしばしば犯してしまいがちです(私はときどき……いえ、しょっちゅうやらかします)。
また、狐のように、お世話になった人に不義理をしてしまうことだってあるかもしれません(これも身に覚えがあります)。
この寓話には、いくつもの教えが含まれていますが、今日は特にひとつのテーマに絞って話をしたいと思います。
それは「短期的な快楽と長期的な快楽はどちらを優先すべきか?」というテーマです。
成功者ほど〇〇的な視点を持っている
いきなりですが、ここで質問です。
これから先、あなたはどうなりたいですか?
少し時間を取って、あなたにとっての理想的な未来を想像してみてください。
(想像してからこの先を読んでくださいね)
ではさらに質問です。あなたは未来と聞かれたとき、何年先を思い浮かべましたか?
ある調査によると、社会的に成功している人ほど、長期的な目標を持っている傾向があることが分かっています。長期とは、10年とか20年という単位の長さです。
一方、普通の人はそもそも目標自体を持っておらず、持っていたとしても1年とか、せいぜい数年先のことしか考えていなかったそうです。
余裕のない人が、目先のことしか考えられなくなるのは無理もないことだと思います。ただ、この考え方をどこかで変えない限り、なかなか人生を変えるほどのインパクトが生まれないのも事実です。
貧乏は循環する
北野武さんの母親である北野さきさんは、貧乏から抜け出すためには何が必要かと思案した結果、子供たちに学歴をつけさせることだと考えました。
貧乏は循環するんですよ。貧乏人は金がない。金がないから学校に行けない。
学校に行けないからろくな仕事に就けない。
稼げる仕事に就けないからこそ貧乏で、子どもを学校にやれない。こんなこといっちゃ、お釈迦様が怒るかもしれないけど、貧乏ばかりが輪廻する
そんな思いに至ったさきさんは、子供たちの教育に力を注ぎ、3人の息子を大学まで通わせました。その後、息子たちがどうなったかは、あなたがご存知のとおりです。
ただ、誤解のないように付け加えておくと、さきさんは決してお金に執着していたわけではないようです。むしろお金に囚われずに、人として正しく生きることを大事にしていました。
お金持ちになることが目的なのではなく、お金がないために、いらない苦労までする必要はないと考えたのでしょう。
バランス感覚を磨く
山羊は目先の欲に駆られて、後先考えずに井戸の中に飛び込みました。この姿は、短期的な快楽に溺れることの危険さを表しているようにも思えます。
今日が良ければそれでいい。今が楽しければそれでいい。
この考え方は、とても楽だし楽しくはありますが、長い目で見たらとても怖いことでもあります。
先のことを憂えて、今を楽しめなくなってしまうのは、それはそれで問題ですが、だからといって、先のことを全く考えないで行動するのも、それはそれで問題です。
つまり、長期的な視点と、短期的な視点のバランスが大事だということです。
成功している人、とくに幸せな成功をしている人は、このバランス感覚が絶妙です。今を大切にしながら、先のこともよく考えて準備をします。
ユダヤ人は「今日できることは今日やりなさい」と子供に教えます。先延ばしにするほど、掴めるチャンスが減っていくからです。それに明日は何が起きるか分かりません。準備をしておくに早いに越したことはないというわけです。
我慢ではなく、より大きな欲を持つ
長期的な視点を持つためには、長期の目標を決めることが鍵になります。いつかこうなりたいではなく、10年後にはこうなると期限を決める。つまり、10年後の具体的な目標を決めるということです。
この10年後の目標が磁石となり、無意識にエネルギーがそこに向かうようになります。必要な情報がアンテナに引っかかり、今、何をすべきかがより明確になります。
また、目標を達成する理由を明確にすることも重要です。さきさんが、貧乏の輪廻から抜け出すために、子供たちをいい大学に入れることを目標にしたように、その目標を達成することで、具体的に何が得られるのかを考えるのです。
目先の欲から目をそらすために、ひたすら我慢するという方法はうまくいきません。ダイエットが失敗するのと同じで、我慢をした分、どこかでその不満が必ず爆発するからです。
欲を我慢するのではなく、その行動を取ることで、未来により大きな快楽が得られると理解することが重要です。今、これをすることで、どんなものが手に入るのか。そのことにどれだけワクワクできるか。
どんどんお金が溜まっていく通帳を眺めてニタニタする人のように、行動そのものに喜びを感じられるようになると、我慢をしているという感覚もなくなります。
欲張たっていいんです。より大きな物を掴み取るために、大きな目標を立ててくださいね。
まとめ
・成功する人は、短期的な快楽より、長期的な快楽を重視する
・10年先の明確な目標を持とう
・我慢の代わりに、その行動の先にある大きな快楽を想像しよう