感情を“処理水”にしないために──タンクと心の構造

福島第一原発の事故から、12年以上が経ちました。
そして今、政府と東京電力は「処理水」と呼ばれる汚染水を、海へと放出し始めています。
この処理水とは、溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)に触れた汚染水を処理装置(ALPS)にかけ、一部の放射性物質を取り除いたものです。
しかし、除去できるのは限られた種類だけで、完全に無害というわけではありません。現在までに約130万トンがタンクに保管されており、毎日90〜120トンずつ増え続けています。
政府は「これ以上タンクを増やすのは現実的でない」として、海への放出を「やむを得ない」と正当化しています。
一方で、まだ使える土地があり、処理技術も進化する余地がある中、「今、流すこと」への疑問も根強く存在します。
タンクは“象徴”である
先日、ある市議会議員が「タンクをこれ以上増やすなんて風評被害を助長する」と発言し、それに対して山本太郎さんは「安全かもわからない処理水を海に流すなんて、不誠実だ」と応じていました。
このやりとりを見ていて、私は思いました。
タンクをどう見るかは、その人が「過去とどう向き合っているか」によるのかもしれない、と。
タンクは、誰かにとっては、「まだ終わっていない事故の証拠」。
だから見せたくない。消したい。
でも別の誰かにとっては、「まだ終わっていないことに、正直に向き合っている証」。
だから残したい。忘れてはいけない。
これは、社会の話だけじゃありません。
私たち一人ひとりの“心の中”でも、実は同じことが起きているんです。
タンクは心のメタファー
私たちも、日々の暮らしの中で「不安」「怒り」「悲しみ」などの感情を抱えます。
けれど、そのすべてをちゃんと感じることはなかなか難しい。
「そんなこと感じちゃダメ」
「泣いたってしょうがない」
「もう終わったことなんだから」
そうやって、心の中の“タンク”に未処理の感情を押し込めてしまうことがあります。
感情は、感じなければ“澱”になる
- 「もう親のことは思い出したくない」
- 「あんなこと、なかったことにしたい」
- 「いまさら考えても仕方がないよね」
そうやって割り切ったつもりでも、潜在意識には“感情の澱(おり)”が残っています。
その澱は、時間とともに心の奥に沈んでいきますが、消えたわけではありません。
やがて人間関係に影を落とし、なぜか前に進めないというかたちで現れてきます。
- 自分を大切にしてくれる人に出会っても、なぜか落ち着かない
- 同じようなことで傷つき、自己嫌悪に陥る
- やる気はあるのに、なぜか一歩が踏み出せない
こうしたことの裏には、「感じ切ることができなかった、未完了の感情」が隠れていることが多いのです。
水に流したい気持ちもわかる
……とはいえ、「もう水に流してしまいたい」と思う気持ちも、よくわかります。
- 思い出すと辛いから
- 感じると涙が止まらなくなるから
- 感情に向き合うのは、エネルギーがいるから
でも、感じることができれば、それは“汚染”ではなく“浄化”になります。
感じてあげるだけで、静かに溶けていく感情もある。
ただそばにいて、「そうだったね」って寄り添うだけで、ほどけていく痛みもあるのです。
誠実さとは、隠さないこと
今の世の中、面倒なことは「早く片づけて、なかったことにする」のが、スマートだとされがちです。
でも、本当に大切なのは「まだ終わっていないという事実に、向き合うこと」なのかもしれません。
タンクにためられた処理水も、
心の中にため込んだ感情も、
見えなくしたからといって、なくなるわけではない。
大事なのは、感じる勇気と、誠実に向き合う姿勢。
それができたとき、タンクは“恥ずかしい過去”ではなく、“信頼の象徴”に変わるのだと思います。
自分の感情と向き合う10日間を
あなたの心の中にも、見ないふりをしてきた“タンク”があるかもしれません。
不安も、怒りも、悲しみも。
ぜんぶ、ちゃんと感じていいもの。
自己受容の力が、それを可能にしてくれます。
無料で始められる「変われない理由がわかる自己受容メール講座」で、
少しずつ、自分にやさしくなっていく時間を持ってみませんか?
▶︎ [10日間のメール講座に登録する](画像をタップ)

あなたへのプレゼント
もし、もっと自分の心とやさしく向き合いたいと感じたら、こちらもご覧ください。
電子書籍プレゼント(無料)
『自己受容の魔法 〜わたしを許したら世界が変わった〜』
自分の心を癒す、自己受容のヒントを詰め込みました。物語で読みやすくなっています。

体験セッション
一人ではたどり着きにくい心の奥へ、そっと寄り添ってみませんか。
あなた自身を、もっと自由に、もっと軽やかに生きるために。

最後までお読みくださりありがとうございます^^